異常気象の影響でしょうか?台風 14 号は、一度大陸に上陸してから急カーブで日本に向きを変えてきました。こんなコースは今まで見たことがありません。温帯低気圧になったものの、それによって秋雨前線が刺激され、地震からの復興もまだ完了していない能登半島地域で大雨による災害発生です。もう神様は存在するのかと言いたくなります。

これだけの被害が出ると、もう一度専門家による日本国土の自然災害に対するリスク分析と、そのリスクレベルに応じた対策が必要ですし、政府の対応が求められると強く感じます。また、震災後の多くの民事裁判の反として、自然災害のリスク分析と対策を含む報告書は政府側に都合の良い内容とならないように留意すべきであること、そして、報告書を作成する専門家を選ぶ権利を国民に与え、倫理的行動を取れる人で専門家グループを構成すべきとの話があったように思います。私は長岡科技大で、東日本大震災の教訓として政府は“国民のより安心・安全への配慮”が大切と教えられました。そして万が一、自分、社員、そして地域の人々の生命と財産に危害が生じるような現場に遭遇した時に、いの一番に倫理的行動をとれる人になるのが私達システム安全技術者の務めであると理解しています。長岡科技大で直接こうしなさいというような指導はありませんでしたが、教授が示してくれた資料や、先人の同じような問題に対する姿勢と結末の紹介などをもう一度思い出すと、私の理解に大きな間違いはないと思っています。

先日、長岡科技大の同窓会が長岡で開催され、新潟の銘酒を楽しんで夜遅くにホテルに戻り、そのままウトウトと寝てしまいました。深夜に目が覚めた時に TV で“シリーズ ビィクトール・フランクルのそれでも人生には意味がある”の第 5 回を観ました。彼は、ナチス・ドイツの強制収容所を生き延びた精神科医です。ユダヤ人であったことから仕事を奪われ、家族を殺されたそうですが、なぜ“それでも人生に意味がある”と言うことができたのかに迫っていくシリーズでした。私も自分の人生で自分はなぜ生かされているのかと問うことが多かったですが、彼の残した書籍や言葉を深く噛み締めると回答が出て来るような気がしています。残りの人生で“国民のより安心・安全に配慮した製品安全工学をシステム化していく”のが自分の仕事のように思うのです。

私にとっては嬉しい報告がありました。iNARTE(国際的な技術者の資格)にチャレンジすると決意したお客様企業の女性社員の方に、受験にあたっての指導をしてきましたが、見事技術者として合格してくれました。また、社内でも合格者がありましたが、諸々の事情で一旦はその社員への教育を断ったのですが、彼が“私は誰にも負けない意志があります”と答えたので、私のセミナーを継続して受けさせたところ、彼も合格することができました。

製品安全の考え方などを中心に、どんどんセミナーなどを開催していきますので、お引き立てを賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。